笠原智久会長の2年目となる2026年度1回目の例会は、昨年同様に「決起会」として笠原会長をはじめ、運営に携わる理事が登壇して1年間の活動方針を発表しました。
2025年振り返り
まずは笠原会長より昨年の振り返りから始まりました。
経営研究会の活動のメインは委員会による例会と勉強会です。8委員会2特別室および三役が、1月から12月まで月ごとに分担して開催する例会は、各委員会の研究テーマに沿って行われるセミナーで、会員にとって一番わかりやすく参加しやすいこの会のメインイベントです。会社で言えば主力商品・サービスですから、例会の会員出席率は商品の売上高であり、評価のバロメーターとも言えます。
では、2025年の例会はどのようなものだったのか、振り返りました。
| 1月 | テーマ「2025 年始め 決起会 〜輝く未来へ 結束の時〜」 担当:三役 出席:51名/94名(54.2%) |
| 2月 | テーマ「施設ツアー例会〜未来へ輝く経営者〜」 講師:松下政経塾 顧問 ⾦⼦ ⼀也 ⽒ 担当:三役 出席:40名/94名(42.5%) |
| 3月 | テーマ「持続的成⻑のために⾃社の社会的価値を問い直す」 講師:京丸園株式会社 代表取締役 鈴⽊ 厚志 ⽒ 担当:三役 出席: 39名/94名(41.4%) |
| 4月 | テーマ「企業が永く成⻑するための秘訣「経営 理念と⼈財育成」 」 講師:武蔵境⾃動⾞教習所代表取締役会⻑ 髙橋 勇 ⽒ 担当:経営理念委員会 出席:48名/94名(51.1%) |
| 5月 | テーマ「未来の経営に向けた採⽤戦略︕ 」 講師:株式会社ジンジブ代表取締役 佐々⽊ 満秀 ⽒ 担当:採用研究委員会 出席:43名/95名(45.3%) |
| 6月 | テーマ「社員が活気づく⽣産性向上」 講師:ソフト・シアター株式会社代表取締役 ⾟ 郷孝 氏 株式会社ストーンシステム 取締役社⻑ 松丸 元康 氏 株式会社ひかりものJP 代表取締役 ⽔⾕ 格之 氏 担当:生産性向上委員会 出席: 50名/97名(51.5%) |
| 7月 | テーマ「社内に共感の輪を広げ、会社の永続に 繋げよう! 」 講師:有限会社ラポール 代表取締役 橘 憲一郎 ⽒ 担当:ありがとう経営推進委員会 出席:51名/100名(51.0%) |
| 8月 | テーマ「今こそ、冒険しよう︕〜冒険王が⽰すシン・リーダーシップ〜 」 講師:株式会社冒険王 代表取締役 堀岡 宏⾄ ⽒ 担当:リーダーシップ委員会 出席:53名/100名(53.0%) |
| 9月 | テーマ「東京経営研究会 プレ経営発表⼤会」 担当:経営戦略委員会 出席: 44名/100名(44.0%) |
| 10月 | テーマ「理念から⽣まれるビジネスモデル 〜理念経営の真髄を学ぶ〜 」 講師:株式会社ココトモファーム 代表取締役 齋藤 秀⼀ ⽒ 担当:歴代会長室 出席:25名/100名(25.0%) |
| 11月 | テーマ「共感を力にする広報─信頼が生んだ学校改革に学ぶ」 講師: ⽅⾕學舎⾼等学校 理事⻑・副校⻑ ⼩⾕彰吾 ⽒ 担当:広報委員会 出席:34名/99名(34.3%) |
| 12月 | テーマ「未来を創るビジョンと⾏動 〜未来に光り輝ける企業になる為に〜 」 講師:アイ・ケイ・ケイホールディングス会⻑兼社⻑CEO ⾦⼦ 和⽃志 ⽒ 担当:三役 出席: 48名/99名(48.5%) |
会員出席率の年間平均が45.15%、年間を通じて出席率の改善が主要課題として浮き彫りになりました。
2026年 活動方針
笠原会長は自社の実情として、人材確保難の克服に向け国の制度も活用し、昨年インドネシアから11名のドライバー技能実習生を採用して戦力化した事例を紹介しました。この経験から、単なる人数や設備の充足ではなく、企業の存在意義と社会的価値の明確化が不可欠であると確信したと笠原会長は言います。現在の主要な経営課題は人材確保・価格転嫁・顧客関係であり、信頼と価値観の共鳴こそが解決の鍵であるとの認識を共有しました。
そこで今年の会長方針として三本柱を掲げました。
第一に「人的資本経営」で理念に基づき社員のスキルを企業価値として最大化すること、第二に「変化への対応と実行力」で自己を失わず持続成長するしなやかな組織をつくること、第三に「可能思考型発想力」で社会課題を自社の存在価値へ転換すること。
人的資本経営では、売上や利益の多寡より「なぜ存在するのか」を明確に答えられることが生存条件だとし、志と人間力を備えたリーダーシップで人を価値に変え、社会に影響を与える企業群を会として増やしていくこと。
また、実行力と変化対応では、経営判断のスピードと柔軟性が肝心であり、笠原会長の会社でも外国人採用に踏み切って成果を得たように、未来図(経営計画)を描いたうえで現状との差を認識し、必要に応じて戦略・資源配分を機動的に見直すことを強調しました。その際は社員への丁寧な説明を尽くし、納得と一体感を醸成してしなやかな企業体制を築くこと。
そして、可能思考については、業界ごとに多様な社会課題がある中で、経営者にしかできない判断で自社の貢献領域を定義し、前向きな発想で課題を価値へ転化する姿勢を核に据えるとしました。
普段の環境にはない「不足を教える機会」
笠原会長は発表の中で、東京経営研究会は「場」の提供にとどまらず、人と企業の変化を生み、社会を動かす原動力になるべきだと位置づけています。それぞれの業界内だけでは志の高い経営者はまだまだ少ないかもしれないが、ここには高い志を持つ仲間が多く、互いの未熟さを指摘し合い鍛え合える環境がある。
笠原会長は昨年の取り組みの中で様々な厳しい指摘を受けて対応に苦労しましたが、今はその経験が現在の自分を形作ったと感謝に変わったと言います。過去と他人は変えられないが、過去の意味は自分の解釈で変えられるということを身をもって学んだと述懐しました。
理事会の協議や審議での厳しい追及は不足を教える機会であり、会社では部下が言わないことも、この会では一般会員からも忌憚ない指摘がある点が価値だと評価した。その対話にどう応えるかが経営者の成長を促し、会の質を高めます。
今後は勉強会や例会に参加した外部の方が「また来たい」と自然に思える活性度を目指し、新たな仲間の参加と成長を連鎖させる好循環をつくる。結果として、成長志向の企業が群として可視化され、互いに磨き合う文化が定着する未来を描いていきたい。会の活性化と社会的価値の創出に向けて共に歩む決意を述べ、感謝をもって締めくくりました。
全国行事に参加する意義
経営研究会の会員は毎月の例会で学びを深めている一方で、全国行事への参加はそれとは別の重要な価値を持っています。
東京経営研究会ではオンラインが普及しているにもかかわらず、あえて会場に集まるリアル開催を重視していますが、その理由は文字情報だけでなく場の空気感や非言語情報、出会いから得られる価値が経営者にとって極めて大きいからです。
松下幸之助翁が仕事だけでなく人生においても大事にした「一期一会」という言葉があります。これには2つの意味があり、一つは「その人との出会いは二度とないものだから、今出来る最高のおもてなしをしよう」という広く理解されている意味と、「これから何度でも会うことはあるだろうが、今この機会(
タイミング)は二度と来ないかもしれないという覚悟で人と接する」という意味があり、松下幸之助翁は後者の意味でも捉えていました。
日創研経営研究会には、「共に学び、共に栄える」一つの理念のもとで学び続ける仲間が全国64単会、4
,000名います。経営研究会の「3大行事」とは、単会ごとの例会とは別に「学びの仲間」が全国規模で集まり、学びと交流を深める全国行事です。経営者がこのような大きな「機会」を逃す手はありません。経営者は「何を学ぶか」だけでなく、「誰と学ぶか、どこで学ぶか」も大事にして欲しい。これこそが全国行事に参加する意義であるという説明がありました。
「全国大会」担当:堀口弘人副会長
今年の全国大会は和歌山で5月20日・21日に開催されます。
経営研究会の全国大会は毎年その土地の文化や著名人が色濃く反映され、開会式や物産展、地元の知事や市長のプレゼンテーションなども大変勉強になります。同じ研修を学んだ仲間との同窓会のように、久しぶりの再会の機会でもあります。東京から多くの人が和歌山での大会に楽しく参加できるよう、5月20日・21日の予定を空けてほしいということでした。
「全国経営発表大会」担当:鶴田諭一郎副会長
全国経営発表大会は、自社の決算書と経営計画を開示し、経営改善の実践と具体的なアドバイスを共有する非常に実践的な大会であり、経営研究会で最大のイベントです。鶴田副会長自身もこれまでにオンラインや現地で合計5回参加しており、多くの方が集まり準備も大変ですが、貴重な学びの機会です。今回の大会は9月14日〜15日に全国発表が行われますが、その前7月に松川委員長の経営戦略委員会主催でプレ発表会を実施し、東京でのプレ発表を経て全国へ臨む流れになっています。
目的は計画を作ることにあり、計画がなければ検証やPDCAが回せないため、計画作成と毎年のブラッシュアップが重要で、大会では異業種や同じ学びをする仲間からのフィードバックが得られ、経営者が自社だけで考えると見落としがちな点に気づけるため非常に有益です。参加企業の生のビジネスモデルに触れられる点や、決算書や悩みをさらけ出して仲間から率直なアドバイスを受けられる点も大会の大きな価値です。社員には言いにくいことも仲間からの意見で明らかになり、経営者や幹部にとって大きな気づきと学びになります。他の発表者にフィードバックを行うことで自身が鍛えられ、ここ2年は幹部と一緒に発表に臨むことが多く、その副次的な学びも非常に有益です。鶴田副会長は昨年、幹部の石川晃副委員長とともに参加し、自身が受けるフィードバックとは異なる視点の意見を得られ、大変良い学びになったということでした。
このように多面的な効果と学びが得られる大会ですので、多くの会員に7月のプレ発表から9月14日〜15日の全国発表へ参加していただければということでした。
「全国特別研修」担当:福田順亮副会長
毎年11月に行われる経営研究会の会員のみ受講できる全国同時の研修で、東京経営研究会が主幹としてオンライン開催しています。日創研で学ぶ高いレベルの企業事例発表や日創研講師の講義など丸一日学べる特別研修がオンラインで行われ、気軽に参加できる点から社員さんの参加も促しています。事例発表は非常に学びが多く、今年も特別な講師が登壇しますので、今後の案内に注目して予定をしてほしいということでした。
「13の徳目 朝礼大会」担当:阿部利成副会長
関東第2ブロックの予選を経て勝ち上がったチームが全国大会へ進む仕組みで、2月24日に関東の予選が行われる予定です。コロナ前は対面でメンバー発表が行われていましたが、現在は映像をもとに評価する方式に変わり、今年は笠原会長とその会社の社員さんが発表をします。
阿部副会長の会社での朝礼の導入の効果として、普段業務中に話さない社員が話すようになり、ランダムにグループを作ることで異なるメンバー同士が交流し、職場の垣根を越えたコミュニケーションが生まれる点を挙げています。その結果、社内の抵抗感が薄れ定着率が向上し、離職率低下や生産性向上に結びついた具体例が紹介されました。また、組織づくりの観点では社長主導ではなく仲間同士で形成するツールとして有効であることを強調しています。日常の現場には小さな課題が潜んでおり、特定の仕組み(ここでは「徳目朝礼」)がそれらを可視化して解決に導く力があるとし、こうした仕組みが現場の問題を表に出して解決へと導く点を非常に強力だと感じているということで、複数の社員がいる会社であれば積極的に導入すべきだと強く推薦しています。
『理念と経営』経営者の会
社内では雑誌『理念と経営』と設問を用いて社員と意見交換するという勉強会がありますが、それとは別に経営者だけが集まる地域ごとの勉強会があり、自由参加で座談形式の学びや悩みの共有が行われています。日創研との関係が薄いので、近隣の経営者や新しい方を誘って気軽に参加することが奨励されていて、「学びの入り口」として活用することが勧められました。
以上、経営研究会の会員は、毎月の例会だけでなく全国行事や地域の勉強会にも参加して、全国の経営者と交流し、ぜひ新しい情報やアイデアを得て自社の業績向上に繋げていってもらいたいと考えています。
委員会方針発表
経営理念委員会(鈴木岳委員長)は、現場社員さんと価値観を共有し、社員教育・育成について学ぶこと、例会を通じて経営理念の再認識と社員への浸透を図ることを主要な取り組みと位置づけ、「共感される経営理念の再認識」を研究テーマに掲げました。そして、現場の声や行動を起点に自社の経営と理念の結びつきを学ぶ活動方針を示しました。
具体的には、例会で講演や実体験に基づく事例紹介を通して参加者が気づきや自社の課題を考える場を設けます。例会前後の勉強会で準備と振り返りを行い、ベンチマークや会員企業訪問で実践事例を確認して発表・ディスカッションする予定です。
リーダーシップ委員会(仁科豊委員長)は、研究テーマを「次世代リーダーの人材育成」と定め、人的資本経営の観点から従来のリーダー像とこれからのリーダー像の違いを踏まえて学ぶ方針を明確にしました。そして、社員と共に人材能力を最大化し人的資本経営を通じて企業価値向上を目指すこと、会員企業の訪問やベンチマークを通して仲間の教育実践を学ぶことを活動方針として掲げました。
例会では人的資本経営を実践する経営者を講師に招き、新時代に求められるリーダーシップの在り方と育成手法を具体的に学び、勉強会で組織づくりや育成の深掘りを行う計画です。
経営戦略委員会(松川勝成委員長)は、9月の「全国経営発表大会」に向けた準備として東京での7月「プレ経営発表大会」や事前練習を含め、委員会がサポートしていく予定です。また、委員会活動では財務などの具体的な知識や正しい資料作成法、日創研のテンプレート理解と書き方を中心に学ぶ勉強会を予定しています。
特に、経営計画書を作成しPDCAを回すことだけでなく、その計画書を見た関係者や社員さんが自然に応援したくなるような「伝え方」や共感を生む「表現力」を重視して学びます。「発表したくなる」「発表して楽しい」経営計画づくりを目指したいと述べ、勉強会を楽しく有意義な時間にしたいと呼びかけました。
採用研究委員会(青木大輔委員長)は、今年3年ぶりに採用に成功したものの、過去2年間採用に苦戦し一人も採れなかった自社の反省から、マイナビやリクナビ等に登録する企業が4万社を超える現状ではまず「見つけてもらう」ことを重視して、「魅力の伝え方」を学ぶ必要があると強調しました。採用研究委員会としては3年目となる今年は徹底して学びを深め、見つけてもらう工夫と実務的な勉強会を通じて採用成果に結びつける活動を進める方針です。
ありがとう経営推進委員会(唐橋良幸委員長)は、今年実質的な運営を担う副委員長の矢邉孝司さんを通して、「ありがとう経営」を社内に根付かせることを研究テーマに掲げることを発表しました。「ありがとう」という言葉が日常的に十分使われていないと感じ、職場や家庭、趣味の場でも感謝を意識的に表すことで自然な感謝表現が増えると考えているとし、社員の行動や存在を否定するのではなく肯定的に捉えることで、会社や社員の良さを見つけていこうとする姿勢を推奨していく具体的取り組みを説明しました。
広報委員会(三浦文嗣委員長)は、「強みの発信力、選ばれる仕組みへ」をテーマに自社の強みを顧客に確実に伝えて選ばれ続ける永続企業を目指します。昨年のAI講演を受けてチャットGPTなどを実践的に活用した経験から今年度はDXの専門家を招いた例会でDXの定義と実務活用を学ぶ計画を示しました。そして、広報勉強会を年間3回実施し、参加者同士が自社の強みやターゲット顧客について意見交換し、東京経営研究会の横のつながりを深める場にしたいと呼びかけました。特に最近入会した会員に参加を促し、多様な企業の強みを学び合うことでネットワークを広げることを重視しています。
生産性向上委員会(尾髙俊雄委員長)は、委員長と副委員長が欠席のため担当副会長の鶴田諭一郎さんから、業務の質的向上と利益率改善につなげる生産性向上の研究を行います。昨年は最優秀委員会に選ばれており、2年目の今年の学びも期待してほしいとし、10月21日の例会ではこの1年の訪問や学びの成果を発表する予定であると説明しました。企業訪問などを通じて実際に成果を上げている取り組みを収集し、10月の例会で共有する計画です。
総務会員拡大委員会(塚本誠委員長)は、新入会員が会に馴染めず交流が希薄になる現状を問題視し、早期に友人や仲間を作れるよう支援することを述べ、具体的な対応として新入会員窓口の設置や名刺交換などのフォローを進めることを説明しました。オリエンテーションで先輩会員と話す場を設けて交流を促進したいと呼びかけました。
歴代会長室(栗駒和訓室長)は、会の歴史と理念、持続的経営の重要性、委員会活動の活用、仲間づくりと実践的学びの必要性を強調し、歴代の会長が協力して会の場を大切にして今後も続けていく意志を示しました。
この中で3代目会長の髙橋勇さんから、委員会活動の重要性が特に強調されました。単なる例会参加にとどまらず、委員会で定期的に集まり互いの会社の戦略やビジョンを持ち寄って議論・フィードバックすることで、実践的な学びと成果につなげていくことが求められました。委員会活動を通じて他社訪問や具体的な改善提案を行えば、会員各社の成長に直結すると説明され、参加の積極性と継続的な関与が促されました。学ぶこと自体が目的ではなく、学んだことを実際の成果に結びつけること、社員とその家族の生活まで見据えた責任ある経営を行うことが求められていると述べられました。
全体として、「仲間をつくり、委員会を活用して実践的に学び、経営の質を高めることで持続的な成長を実現する」ことを訴える内容であり、会の歴史と連続性を重んじつつ、現役経営者の支援と具体的な行動による成果創出を参加者に対して求めるものでした。
今年も互いに支え合いながら精進していければと思います。


