10月16日に、TKPガーデンシティ渋谷において、東京経営研究会創立20周年記念例会が開催されました。
西東京経営研究会との合同で開催され、記念ということで、全員が高揚感に包まれながら準備が進められました。
創立20周年ということで、西東京をはじめ、分邦した神奈川、千葉、埼玉からも参加して頂きました。
受け付けが始まると、歴代の会長や他会の会長、また記念ということで久しぶりに参加して頂いた方もいらっしゃいました。
司会は事務局長の寺門聡一郎さん、副会長の狩野刀根男さんの開会宣言で記念例会がスタートしました。
今回は記念例会として、講演以外にたくさんのプログラムがありました。
栗駒会長の挨拶に続いて、歴代会長への感謝状が授与されました。
お渡しするのは、当時の事務局長や関係の深い方から手渡され、感謝状の内容もそれぞれの会長の当時の活躍に対して感謝の意を表するというもので、当時を良く知る方からは笑いと拍手がおこっていました。
初代・2代目会長の高嶋民雄様、3代目会長の高橋勇様、4代目会長の市川由貴子様にまず授与されました。
その後、担当の太田和隆相談役からご紹介があり、記念講演として現監事であり、13・14代会長を務められた株式会社太陽運輸の藤野隆司さんのご登壇となりました。
藤野さんは三代目社長として運輸業だけでなく、幅広くご活躍されていますが、その道のりはタイトル通り「逆境」の連続でした。
物ごころついた時から近くにトラックがあり、20代の頃からトラックを運転していたということですが、とにかく「人の役に立つ仕事をしよう」という一心で働き、大手との取引だけでなく、部品調達から施工までを行う「調達デポ」といった画期的で、お客様に喜ばれる仕事を次々と作っていきました。
順調に会社の規模も大きくなっていた平成8年に事故、それも死亡事故が発生します。
運送中に玉突き事故で、巻き込まれた車を運転されていた方が亡くなってしまいました。
事故後は誠心誠意、ご遺族に向き合ったことで、前向きな関係を保つことができたのですが、これを機に事故を二度と起こさないため「安全大会」を実施し、交通安全の徹底を図りました。
逆境はさらに続き、事故の3年後の平成11年には、主力会社が突然業務を縮小することになり売上が激減、そのための投資もしていたためにやむなく希望退職を募ることとなります。
大きな問題が続けて起こったことで心労が重なったのでしょうか、同じ年に父親である当時の社長が病に倒れます。
藤野さんに重圧がのしかかってくる中、でも平成12年に決意して社長に就任します。
社長になった後、取引先に応援して頂くために挨拶をしていく中、以前の事故のご遺族にも挨拶に伺ったところ、倒れた父親に対する感謝を告げられ、叱咤激励をされたということでした。
決意も新たに「第二創業」に向かっていた時、またしても大手取引先の「物流コンペ」に負けてしまい、大手運送会社の下請けをしなければならないという逆境に見舞われます。
でも藤野さんは前向きに逆境をはねのけ、事業拡大に向けた挑戦をします。
しかしながら、その矢先に二度目の死亡事故が発生、さらにその翌年には会長となって藤野さんの精神的支柱であった父親が他界されるのです。
悲しみに暮れる中、社葬を執り行い、各営業所を回った時、全ての社員さんが整列して見送ってくれるの見て、感謝するとともにさらなる挑戦を決意します。
SQE(労働安全衛生・品質・環境マネジメント)に取組み、ISO9001認定取得、安全性優良事業所認定(Gマーク)取得、さらにグリーン経営認定を取得。
さらに対個人(B to C)の事業として、引越し業務を開始、宅配水事業を開始、ついには「運ぶものを自分達で作ろう」ということで、「たもぎ茸」というキノコの生産と販売も始めることに。
また、中心である物流事業にも果敢に投資し、大規模な物流センターを北関東の各地に建設されました。
そして近年、蛍光灯リサイクルや太陽光発電といったエネルギー業にも参入するなど、挑戦はまだまだ続いています。
最後に太陽運輸さんの「太陽の精神」というのがあり、「『太陽』のような存在になる そして、『太陽がいっぱい』な会社になる」というのを教えて頂きましたが、いつも明るく元気で、分け隔てなく周囲に光をあてようとする藤野さんの姿そのものだと思いました。
また、その藤野さんの下で働く社員さんはみなその姿を見て自分達も「太陽のような存在」になろうと頑張られているのだろうと、最後の動画を見て思いました。
講演に続けて、西東京経営研究会の秋山香さんとの対談がありました。
この中では特に、秋山さんから藤野さんの事業のアイデアの源泉について聞かれたところが印象的でした。
藤野さん曰く、逆境だからこそ何とかしようと考え、常に何かないかと考え続ける、探し続けているからではないかということでした。
さらに、経営研究会での異業種の経営者との交流、会話の中からも刺激を受け、アイデアが生まれるとのことでした。
経営研究会にはやはり逆境にあった時に入会したそうですが(平成10年)、経営研究会の例会や仲間と議論を繰り返す中で学び、それが経営に活かされているということでした。
その後、神奈川の榎本靖さん、千葉の髙橋光孝さん、西東京の浜口信介さん、東京の栗駒和訓さんの各経営研究会現会長に、経営研究会に対する思いを語って頂きました。
それぞれ入会された時からのお話しをして頂きましたが、面白かったのが、皆さんいずれも入会当初はあまり気乗りがしなかった、どちらかと言えば「ちょっと厄介なところに来てしまったのではないか」と思われていたということです。
また、理事になり、三役、そして会長になった時も「とても苦労した」ということでした。
でも、それだけに得るものも大きく、今となっては入会したこと、そして会長になったことに大変感謝しているということでした。
ここまでが、第一部でした。
最後に西東京の浜口会長が挨拶され、東京の次年度事務局長となる唐橋良幸さんが閉会宣言をして、第一部が終了しました。
例会にご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
【出席数】例会
会 員 :97名(西東京含む)
オブザーブ:29名
合 計 :126名