今回は「たった10分の朝礼が圧倒的な強いチームをつくる」がテーマです。

IMG_0145IMG_0230今年2回目の例会は、2月12日、3月を思わせる陽気の中、東陽町の日創研東京センターにて開催されました。

まず、塚本事務局次長の司会、内迫副委員長の開会宣言でスタート。

狩野会長の挨拶、室田副委員長の紹介により講師がご登壇されました。

杉山浩一講師登壇講師は株式会社プラン・ドゥの代表取締役、杉山浩一社長です。
杉山講師は東京経営研究会の会員、社内活性化室長という学ぶ仲間でもあります。
そして、今回、日創研経営研究会の講師としてデビュー、初めてのご講演を行っていただきました。
まず、杉山講師より、今回の御礼と経営研究会についてお話しがありました。

<学ぶ習慣と友、そして業績>
「経営研究会は会員数4000名を超える、経営の勉強会です。そのうち黒字企業が77%、日本の会社の黒字申告の割合が約30%、やはり学ぶ習慣は業績につながるのですね。今年はありがとう経営・会員企業黒字率80%以上の実践、『原点回帰・中小企業の活性化』が目標です、東京経営研究会は「明るく元気に学ぶ」という方針を掲げて学んでいきます。これからも、共に学んでいきましょう。そして、新しい方の入会も心よりお待ちしております。」

<見てみよう>
IMG_0158そして、杉山さんの会社で行われている、普段の朝礼を収録した、DVDが上映されました。見事な朝礼で、会場から唸り声と拍手が起こりました。

<企業の転換点>
株式会社プラン・ドゥとその沿革、朝礼導入について説明がありました。
「マンションや社員寮などの中古集合住宅を購入・リノベーションし、個人投資家に販売、管理運営をしています。経営理念は『不動産にかかわる全ての人に幸せを』。2003年設立当初は外資系金融機関に投資物件を売買していました。しばらくは順調に業績が推移しますが、2008年のリーマンショック後、4ヶ月売上ゼロという危機が起きます。
2009年にB to BからB to Cリノベーション賃貸物件の販売管理に事業転換をして危機を脱します。しかし、それまでの経営、特に新卒教育に限界を感じ、日創研で学び始め、2010年に会社に研修を導入します。当時、3割ほどの退職者が出ましたが、価値観の統一が図れて良かったと思っています。2011年に『理念と経営』の勉強会を開始し、『13の徳目朝礼』は2012年より開始しました。2014年には新卒者が定着する社風が作ることができたと実感しています。
経営ビジョンは『日本で一番お客様に信頼される不動産会社を目指します』、管理戸数5万戸、オーナーさん1千人、会員10万人、女性の働きやすい職場、これらを目指しています。」

<ハードでは差がつかない>
IMG_0155「日本の人口は減少傾向です。昨年末で約1億2千5百万人、1年で府中市同等の25万人減となりました。ここ4年で100万人、仙台市同等の人口が減少しましたし、出生率から2026年に1億2千万人、2060年に8600万人になる予測です。
一方、日本の住宅市場は、空き家数と共同住宅が増加傾向にあります。空き家数は820万戸、5年で63万戸増えました。共同住宅は2209万戸、5年で141万戸増えました。つまり、住まいは余っていて、さらに余る傾向にあります。
もはやハード、設備・立地では差がつかない時代に入っているのです。これからはソフト、人間力で差別化する時代です。ホスピタリティ、対応力、企画力、安心感、これらでファンを育て、オンリーワンになる必要があり、やはり人財育成だ、と感じています。
賃貸住宅も部屋だけではなく、管理会社とその社員さんで選ぶ時代になると思います。そのため人財育成に有効である、『13の徳目朝礼』を続け、さらに深めていく必要があると実感しています。」

<質問力だよ、リーダーは>
「私たちが行っている『13の徳目朝礼』は経営研究会で33%の実施率だそうです。この朝礼を行うポイントは4つの質問~朝礼リーダー(司会)の質問力とメンバーの答えにあります。考える力、人間力、仕事力、感謝力を引き出せるかどうかです。そして、自己開示とフィードバックを深められるかどうかです。
『ジョハリの窓』でいう開放の窓を自己開示で秘密の領域まで、フィードバックで盲点の領域まで広げていき、未知の領域まで引き出していくリーダーシップが必要です。それを続ける事、『毎日つみあげたものしか差別化にならない』と思います。
さて、ここで事例を提示します。『コスト意識の高い人にどのような仕事をしていますか』への当社社員の答え『振り返りをきちんとしている、振り返りをするからこそ無駄に気付ける』にどう質問しますか。
例えば『具体的にどんな振り返りですか?』、『上司・先輩の具体例はありますか?』、『どんなムダに気付きますか』などが考えられます。『何にどれ位かけるのか、のバランスをとるのが上手』という答えへの質問はどうでしょうか?」。
会場の村田さんから「だれから感じたのですか?」「お金・時間?どうやっていますか?」という質問例が出ました。
『言い方ひとつで変わる、物件を紹介したい→ご相談したい』という気付きへの質問はどうでしょうか?」。
会場の中村さんから「どんな場合ですか?」という質問例が出ました。「言い方以外で変わるのは?という聞き方もありますよね。」。

<やらせてみよう>
IMG_0161東京経営研究会の選抜メンバー、眞田さん、高橋さん、舘林さん、浜田さん、福田さん、桝本さん、渡邊さんが朝礼の実演を行いました。
「2月26日、彼らは13の徳目朝礼のブロック大会に出場します。まだ練習が必要なようですが、なかなかいい質問がありますね。皆さん、2月26日、ぜひ参加して学びましょう、そして東京チームの応援をお願いいたします。」。

<やってみよう>
約6名のテーブルごとに13の徳目朝礼のグループ実習が行われました。手を挙げてワイワイ、オォー、ともりあがるグループ、たどたどしいグループと様々なようです。
西東京経営研究会の志村さんは「実習をやってみて『リーダー次第だな』と思いました。その育て方ですね。」との感想。
IMG_0161「その通り、リーダーの重要性とその育て方は大切ですよね」と杉山講師。
エコハウスの高山さんは「当社も以前、朝礼をやっていました。ただ、当社では質問がなかったです。質問があるとハッとしますね」と。
「質問の重要性に皆さん気付いたようですね。」

<私は、あきらめない>
「先ほど、『以前は朝礼をやっていた』という話がありましたよね。それは理解が出来ます。当社の取り組みも初めから上手くいったわけではありません。2011年朝礼導入時はヤラサレ感で一杯でした。ただし、ここで止めたら普通の会社になってしまいます。
『ふつうの会社は倒産する』と思います。飲み会で盛り上がるいい社風?いいえ、それは当たり前のことで、お客さんから見た『いい社風』が本物だと思います。
2012年はとくにかくやろう、と習慣化しました。2013年は続いていましたがマンネリ化しつつありました。2014年、武蔵境教習所さんの朝礼『リーダーの引き出し力』をメンバーと見に行き、段々と変わりました。高橋明希社長に見てもらいました。2015年現在ではオリジナル化が進んでいます。」

<オリジナルへ>
プラン・ドゥ・オリジナル朝礼の録画が流れます。ある社員さんが中心となり、出来事と気づきのスピーチをします。その後、全社員さんが一人一人、発表した社員さんの長所を伝えていく、という面白いものでした。最後に社員さんからのコメントがありました。
「月曜日、スイッチが入ります」「色々な視点に気付かされます」「長所を見る習慣がつく」「人前で話す練習になる」など、社員さんは「いいね」を実感しているようです。
「毎週月曜日は、約30分を使い、このような朝礼を行います。発表者は自己開示を、人によってはかなりプライベートな内容を話します。そのほかの人は、その社員さんを承認し、『ありがとう』を伝えます。承認は長所をみる習慣を育てます。全社員で伝えていくと、考えていた長所を他の人が言ってしまい、いくつも見つけておく必要があるためです。」

<目指す人物像>
「当社が目指す、人物像は『健全な価値観』、『プロフェッショナルな知識』、『強みを磨く習慣』を持つ人です。『健全な価値観』のために承認・感謝・規律・コミュニケーションが必要です。
例えば、給与明細に「ありがとうカード」を付ける、オーナーさんと管理者さんや清掃者さんを集めた感謝祭を開くなどの感謝。朝の5Sや日報、課題図書などによる規律。『プロ知識』では資格取得を奨励、宅建(合格率17%、法律上20%)を80%の社員・パートさんが所有しています。」

<朝礼の先にあるもの>
「私は『ありがとう経営推進・実践委員』でもあります。企業の存続・成長・発展には、やはり『ありがとう』をいただく『ありがとう経営』を実践することだと思います。『13の徳目朝礼』もその実践の一環です。『ありがとう経営』の10ヶ条を確認していきましょう。」

ありがとう経営10ヶ条

  1. お客様から「心からのありがとう」を言われている
  2. 上司・部下・同僚からお互いに「心からのありがとう」を言い合えている
  3. 社員さんの定着が良く、組織へのロイヤリティが高い
  4. 絶えずイノベーションをして、商品、サービス、技術の差別化ができている
  5. 社員さんが自主的に改善提案をしている
  6. 社員さんが理念・ビジョン達成に向け自主的に行動している
  7. 社員・幹部・現場の力が三位一体となっている
  8. 商品や会社に対し、お客様から大きな期待をされている
  9. お客様の数が増え、売上がアップし増益している
  10. 安定的で継続的な適正利益をあげている

<小さな一歩>
「13の徳目朝礼を続けて感じる事、それは『日々の積み重ねの大切さ』です。宮崎駿監督の『大事なことは大抵面倒くさい』、イチロー選手の『日々の小さな積み重ねがとんでもないところにいくたった一つの方法』という言葉に深く共感します。
それでは皆さん、『明日、ちょっと変えてみる』ことを『明日から実践できるSmall Step』として書いて実践しましょう。目標は細分化して一つ一つやることが大切です。」

<学びを活かす>
IMG_0190IMG_0183会員企業の社員さんから発表をいただきました。
プリネットの黒澤さん「明日の朝礼から、周りに気を配ります。私の声が全体に影響を与えます。ハキハキ・リズム良く、発声します。」
バイタリティの平兼さんにも発言いただきました。あとは実践ですね。

寺門副会長より謝辞があり、会員企業製品の『東京パンケーキ』が送られました。

報告連絡事項では3月17日の次回例会、2月16日の埼玉西武設立例会、3月17日の西東京例会、栗駒前会長(太田室長代理)と寺門前事務局長が役職引継ぎ終了の挨拶、進藤副会長の閉会宣言で終了しました。

IMG_0215IMG_0220IMG_0200多くの方に撤収作業をお手伝いいただきました。ありがとうございます。

例会の参加者は会員60名、オブザーブ64名、合計124名、会員出席率は58.8%でした。

懇親会は約30名で開催、活発な意見交換が行われました。

IMG_0246「朝礼が承認ばかりでよいのか?」「どうしたら朝礼大会で優勝できるか」といった質問や、「地元は実は講演しにくいものだ」「初めてらしくなかった」との感想があり、深堀会ならではストレートな意見交換で学びが深まったようです。

ご参加いただいた方、ご協力いただいた方、ありがとうございます。そして、あいにく欠席の方、ご興味をお持ちの方も、2月26日の13の徳目ブロック大会で学びましょう。