今回は最近各方面で言われている「風の時代」をもとにこれからの生き方や経営のあり方を考えるという例会でした。

各方面と言ってもまだ耳慣れない言葉なので、まずは「風の時代」について見ていきます。
ここでいう「風」というのは西洋占星術における4つの元素(火・土・風・水)のうちの一つで、12星座をこの4つに分類するということです。
占星術は天体の動きを見るということですが、星はある一定の周期で動いていて「何十年、何百年に一度」という姿を見ることがあり、この星の周期と4つの元素に分類された星座の関係性から時代の変化を読み取るとのこと。
その元素に属する星座の影響を受けた時代が星の周期によって始まるということで、昨年12月からそれまでの「土(に分類された星座)の時代」から「風の時代」に変わったということなのです(詳しくはコチラの記事が参考になります)。

「土の時代」とは今から200年前のことを指し、産業革命以降の近代資本主義の時代のことになります。
では今からの「風の時代」はどんな時代なのか、各方面で言われていることを参考にしながら私たちなりに考えてみようというのが今例会の趣旨でした。

第一部

今回は東京・西東京合同の例会でした。
そこで第一部は「変化の時代 価値変容」をテーマにした東京の大泉善稔会長と西東京の小峯洋二会長の対談でした。
東京の栗駒和訓さんがファシリテーションしてくれました。

[栗駒]
今回参加者の皆様にディスカッションしていただくテーマのためのVTRを、長年社会問題をビジネスとして取り組まれてきた渡邊智恵子さんへのインタビューとして用意しました。
まずはこのインタビューに立ち会った大泉会長から感想を聞かせてもらえますか。

[大泉]
たくさん心に刺さる言葉を聴けたのですが、その中でも特に心に残ったのが渡邊さんがお子さんを出産された時の話です。
渡邊さんはその時「この美しい地球をこの子の代まで残してあげるんだ」という揺るぎない使命を担ったと言いました。
渡邊さんはそれ以前に「7世代先のことを考えて行動しなさい」というネイティブアメリカンの言葉を聞いていて、今やっていることが7世代先まで影響を及ぼすということについて考えていたからです。
今から7世代先というと22世紀に入るところですが、その時代に向けて自分達は何ができるのかということを考える機会になったインタビューでした。

[栗駒]
確かに22世紀というと遠い先の話になりますが、わずかもう77年後のことです。
大泉会長のまだ見ぬお孫さん以降の世代に当たりますが、そのお孫さんたちのために今どのように仕事をしていかなければならないとお考えですか?

[大泉]
今いる子供たちがこれから結婚して子供を作って、という時に自分達がしてきたことが彼らにどのような影響を及ぼすのかと考えました。
私はオートバイのカスタムパーツ、マフラーの販売をしていますが、この化石燃料で動くエンジンのものはあと数年でなくなって環境に対応した乗り物に変わっていくと思いますから、私たちの仕事もそれに対応して変化していかなければなりません。
今回渡邊さんのお話を伺った後に、これからどういう乗り物が出てくるだろうと考えた時に電気モーターで動くドローンが将来的に人を乗せて飛ぶだろうということで、先日息子と二人でドローンの認証試験を受けにいきました。受かっていると思いますが(笑)。
時代は大きく変わると思いますが、何か新しいことをと考えていてもなかなか見つからないので、とにかく一歩踏み出してみようということで会社でも色々模索しているところです。

[栗駒]
小峯会長にも会社のことについてお聞きします。
平成生まれの人がもう35歳になって会社の中でも中堅として働かれており、それより若い人もこれから働き出していくわけですが、私たち昭和世代の人とは異なる価値観の人たちと働くというのは事業を通してどのような課題があると思いますか?

[小峯]
私は物流業なんですが、ずっとトラックドライバー不足に悩まされていて、一番の課題はトラックドライバーという仕事に魅力を感じてもらえないということです。
私も含めた経営幹部は同じ昭和世代で、その頃のトラックドライバーの魅力はやればやっただけ儲かるというところでしたが、今の若い人にはその価値観は無いので経営幹部がその価値観から離れないと溝は埋まりません。
今いる私たちが価値観を変えて若い人たちと話ができるようにならなければ、業界の課題は片付いていかないと思います。

[栗駒]
では、そのような業界において取り組んでいかなければならない問題とは何でしょうか?

[小峯]
先ほども言いましたように、今の若いひとたちはお金を稼ぐということ以上に、自分達の仕事が何の役に立っているのか、どんな人たちを喜ばせているのか、そういったことに興味がある。
だから、私たちの仕事は誰のどのような困りごとを解決しているといった意味や意義を、如何にすれば感じてもらえるのかということに今取り組んでいます。

[栗駒]
同時に、先ほども出ましたが物流業にとってはCO2の排出の問題がありますが、どのように考えてますか?

[小峯]
今街中を走っているトラックの半分は荷物を積んでいないと言われており、それほど積載効率が悪いのが物流業会の現状です。
ですから、走っているトラックが100%荷物を積んで走ればCO2の排出量は理屈上現在の半分になります。
ただ、そうするためには個々の事業者が抱えている顧客の情報をオープンにしなければならないなどの、自社の利益優先という昭和の価値観では中々打破できない業界の壁があります。
その意味でもこれからの「風の時代」において、そういった社会問題をどうやって我々物流業界が解決していくんだと、物流業界あげて取り組んでいくなど価値観や考え方を変えていかないとこういった問題は解決していかないということを改めて感じています。

[栗駒]
我々中小企業も社会問題に目を逸らさず、常に関心や興味を持っていかないと時代から外れていくように思われます。
昭和の時代というのは私もそうでしたが依頼心や依存心といったものが、会社自体もそうですが、そういったものが働いているベクトルが存在していると思います。
ですからこれからは依頼心や依存心ではなく、自分達で立ってどうしていくのか、目標・目的を明確にしてやっていくことが必要だということを、大泉会長と小峯会長のお話を聴いて私自身が考えさせられました。

 

第二部

ここからはこれまでオーガニックコットンの会社を経営しながら社会問題をビジネスとして取り組むことで解決していこうする「社会起業家」として活動されてきた渡邊智恵子さんに「風の時代の経営」についてお聴きしたVTRを見てディスカッションをしました。
今回の趣旨は「風の時代」と言われるこれからの時代の経営のあり方について渡邊智恵子さんのお話を通じて考えてもらい、アウトプットすることでこれからの行動に活かしていこうというものです。

当日見ていただいたインタビュー動画を掲載し、当日のディスカッションのテーマをお伝えしますので、是非ご活用していただければ幸いです。

■ディスカッション1
ディスカッションテーマ:事業を取り巻く社会課題は何ですか?

■ディスカッション2
ディスカッションテーマ:社員さんの幸せとは何ですか?