2024年活動テーマ「不易流行〜価値共創の未来へ」

メンバー導入事例
【太平商事株式会社】

会社の体質改善のため

それまでも接客業が行う挨拶などの一般的な朝礼をやっていた中で、日創研の研修を受講した時に徳目朝礼を知り、これは会社に合っているということで導入しました。

徳目朝礼を導入して「コミュニケーションが良くなった」「場づくりができてきた」といったことを良かった点として挙げる人が多いのですが、一番良かったのは「会社の体質改善ができたこと」です。

例えば、現場で働く従業員さんに「ちゃんと挨拶してもらうためには会社はどうあるべきか」「笑顔で働いてもらうためには会社はどうあるべきか」、つまり会社が従業員さんに13項目について求めるのであれば、それ以前に会社は従業員さんに13項目について与えられるように改良しなくてはいけません。
その意味で「場づくり」というのは会社にとっては「職場環境の改善」であるわけです。

また、13項目を一つづつ「お題目」のように唱えますが、これはそれぞれ別個に考えるのではなく、組み合わせて考えることによってそれぞれの項目の質は高まっていきます。
例えば、「感謝」して「笑顔」で「挨拶」するためにはどうするれば良いのか、といった具合です。
これを会社側が理解して従業員さんがそのような質の高い気づきを得られるようにしなければいけません。

経営者が、幹部がこの13項目をただのお題目ではなく「徳」として、組み合わせて考えられるように伝えられなければうまくはいきません。

従業員さんは「ダイヤモンドの原石」に例えられますが、それは磨くことによってドンドン価値の高いものになっていくからですが、ダイヤモンドも原石自体の透明度とカットの仕方とカット面の滑らかさといった組み合わせによってグレードが異なるわけですから、会社の「人財育成」の取り組み方、「与え方」が問われているのです。

会社を変える「覚悟」

ですから、会社がこの巣鴨に根付いた会社としてどうあるべきかを企業理念として考え、そのために徳目朝礼を導入する、と言っても会社の風紀や体質改善は簡単にできませんから、それを変える「覚悟」がいります。

求めるものと与えるものが比例していないといけませんし、人財育成と会社の体質改善は同時進行させていかなければうまくいきません。

この体質改善は研修に行く前から始め、研修もこの朝礼もその一環ですが、この4年ほどの間に職場環境改善のための設備投資をして毎年改装工事をしています。

従業員さんに何かをしてもらうためには、会社が「本気」で体質改善に取り組んでいるというところを、具体的な結果で見せなければいけません。

徳目朝礼を導入して、派遣社員の人も含めて全員で取り組みだしてからはまだ1年経っていません。ですから、まだ試行錯誤のところではあります。

導入時には当然反発もありましたが、幹部と現場のトップが協力をしてくれて、現在も朝礼に関する「浸透会議」をして問題課題を話し合って、より良いものにしていっています。

自慢は「誰一人辞めていないこと」

この取組みを始めてから一つ自慢できることは、この5年間で社員さんが一人も辞めていないことです。

日創研の研修に行き始め、4年前から「理念と経営」の勉強会、昨年から徳目朝礼を導入しているのですが、この間に誰一人辞めていません。
これは、会社として正しく社員さんの期待に応えている証だと考えています。
「覚悟」ということを言いましたが、やはり会社が期待に応えられないと社員さんは辞めていくからです。

最近では、結婚したての女性社員さんが、「子育てしながら太平で働きたい」と言ってきてくれたのですが、「自分だけでなくこれからの後輩に対しても働くことを諦めてほしくないので、頑張りたい」と言ってくれてます。
経営者にとっては期待に応えるということでは新たなプレッシャーですが、我が社のような地元密着のパチンコ店では中々ある話ではなく、とても有り難い話です。

(お話 太平商事株式会社 部長 具志司さん、専務取締役 堀口弘人さん)

現場の方の声

コミュニケーションが増えて、相手の考えていることがわかるようになりました。
これまでの朝礼では、どのようなことを考えて仕事に臨んでいるのかがわからなかったのですが、徳目朝礼になってからはそれがわかるようになりました。

現在はアルバイトの人にも朝礼のリーダーをやってもらっているので、全員が考えて仕事するようになりました。
さらに、全員がリーダーをすることによって、それぞれの個性が出て、それぞれの場づくりが行われ、お互いのことがよくわかるようになりました。

これまではホール担当、カウンター担当など役割が違うとよくわからなかったのが、その日の担当ごとの仕事がわかるようになりました。
お互いの仕事とその日の目標がわかることで、協力しあえる関係になってきました。

徳目朝礼をやりだしてから、全員が「場づくり」を意識するようになり、明るい挨拶や話す人のの目を見て聴くなどの姿勢が明らかに変わりました。
徳目朝礼導入には「経営理念の浸透」「人財育成」「コミュニケーション」の3つの柱があったのですが、その経営理念に「人づくり・場づくり」が掲げられており、それが実践されていることを感じています。


【取材後記】
「隗より始めよ」
業種業界を問わず、近年深刻な課題となっているのは「人手不足」。
人が集まらないことも問題ですが、短期間で人が辞めていくことも大きな問題とされている中で、「これまでとは違う取り組み」をしながらも誰一人辞めていないというのは驚きに値します。
経営者自身が覚悟を持って変わることで会社は変わっていくということを学びました。

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