今回は「ありがとう経営」を実践し、自立型人財の育成と従業員満足を実現、社内活性化と業績向上を果たしている企業として、東京経営研究会会員の有限会社エスタシオさん、株式会社バイタリティさん、株式会社プラン・ドゥさんの3社の経営者及び経営幹部をパネラーに迎え、その秘訣を探る例会でした。

コーディネーターは株式会社システムクエスト代表取締役社長 澤田智廣さんです。

冒頭に澤田コーディネーターより「ありがとう経営」の定義を説明して頂きました。

ありがとう経営とは

お客様に「ありがとう」を言われることほど、うれしいことは ありません。
お客様の「満足」や「便利さ」といった価値を提供すると、お客様は 「ありがとう」 と言ってくださいます。
お客様に喜んでいただけることで私たちもうれしくなります。
「ありがとう」の言葉は誰にとっても最高の喜びです。
「ありがとう」を10回だけ言われる職場と「ありがとう」を1000回言われる職場では、 働き甲斐や生きがい、やり甲斐に大きな違いがでてきます。

お客様から「ありがとう」と言われ、お客様にも「ありがとう」と感謝し、共に働く仲間にも 「ありがとう」を言い合える。
そんな、「ありがとう」あふれる「ありがとう経営」を全社運動ですすめましょう。

(ありがとう経営のすすめ|日本創造教育研究所より)

今回の3社はこの「ありがとう」をたくさん言ってもらえる会社であるということですが、なぜそれほど「ありがとう」が溢れる会社であるのかというのを様々な角度の質問から探っていきました。

まずは3社の紹介をして頂きました。

株式会社プラン・ドゥさんからは社長の杉山浩一さんと幹部の小山誠(ただし)さんが登壇してくださいました。
株式会社プラン・ドゥさんは、創業15年になる不動産会社で、社員数が27名、売上177千万円、経常利益3600万円という規模の会社です。
不動産の中でも中古の賃貸マンション1棟を仕入れ、リノベーションした上で新しい入居者さんを募り、それを富裕層の方向けに販売、その管理までを手がけるという事業です。
社内は分業体制で、仕入れ、リーシング(賃貸の入居者管理)、オーナー担当、とそれぞれが1棟のマンションの中で業務を担当しています。
その中で幹部の小山さんは入社12年目で社内では最古参だということでした。

株式会社バイタリティさんからは社長の岩田浩さんと幹部の出原敦子さんが来てくださいました。
株式会社バイタリティさんは飲食業で、岩田さんがご自身そのものだという「バイタリティ」という社名なら明るい方が集まるだろうと考えてつけられたそうです。
社員数は54名、アルバイトの方を入れると200名強だということで、売上120千万円、経常利益7千万円という規模の会社です。
創業して9年目で、中央区を中心に14店舗を展開され、山形県とマレーシアにもプロデュースされたお店があり、現在も新しいお店をドンドン出店しようとされています。
幹部の出原さんからも、そんなお忙しい社長と久しぶりに会ったというほど岩田さんは国内・海外を飛び回っているということでした。
出原さんは創業して1年弱ぐらいから入られ、現在は営業マネージャーとして社長の右腕になられています。

有限会社エスタシオさんからは社長の舟木なみさんと幹部の川端風子さんがいらっしゃいました。
有限会社エスタシオさんは、東京(荻窪)と神奈川(天王町)、埼玉(桶川)、山梨(石和)に美容院とエステサロンを計5店舗出店されています。
社員数は50名、売上25千万円、経常利益500万円という規模の会社です。
お父様が経営されていた会社を舟木さんが引き継ぎ、新たに創業されてから12年ということでした。
エスタシオさんが他の会社と異なる一番のポイントは、舟木さんが美容師ではなく、広告代理店の営業出身の経営者だというところです。
それまでの人財育成と採用に関する仕事を活かして、社員さんの人間力向上を社長の仕事とし、「心の底から美しく」をテーマに掲げて、美容の技術だけでなくスタッフと関わることで心からの満足を得られるようなサービスによって他社との差別化を図っています。
幹部の川端さんは荻窪店の店長をして美容師として現場に立ちながら、舟木さんと共に人財開発にも携わっていらっしゃいます。

なぜ、多くの「ありがとう」が頂けるのか?

 澤田コーディネーター 
「なぜ、お客様から、従業員さんから、地域社会からそれだけ多くのありがとうを頂けていると思いますか?」

 杉山さん 
「自社における『ありがとう経営』とは、『あなたがいてくれてありがとう』であると考えています。
あなたというのはお客様であり、ともに働く仲間です。
そのために心がけているのは、〈情報共有〉と〈経営者意識(全体最適)〉です。
自分の仕事だけ、自分の部署だけではなく会社としてどうやって役立っているのかを考えられるように、またそのために他の部署との情報共有を図っていくことで仲間やお客様に対しての感謝につながり、『ありがとう経営』を実現させているものと考えています」

 澤田コーディネーター 
「実際に社長からありがとうを言ってもらっていますか?」

 小山さん 
「全員に向けて普段からたくさん言ってもらっています」

 澤田コーディネーター 
「社長はどうしても”やって当り前”と思ってしまいがちですが、そこをキチンと丁寧に”ありがとう”と言えるところが素晴らしいし、それが『ありがとう経営』の基本ですね。」

 岩田さん 
「普段から感謝力を上げていこうということは言っています。
毎日同じ仕事をしていると心が無くなりがちですが、手一杯になるとどうしても誰かに手伝ってもらうしか無くなり、そうすることで相手への感謝は自然と出てきます。
お客様も同じで、常連のお客様ほど慣れが出てきてしまいがちですが、周年祭などをすることで改めて常連のお客様に対しても感謝の気持ちが湧いてきます。」

 出原さん 
「会社が成長し、自分たち社員も成長するに従って、当初は社長がすべてをやっていた仕事を任せてもらえるようになってきました。
今では大半のことを任せてもらっていて、恐らく自分が経験してきた分見ていて歯がゆいところもあるかとは思いますが、その都度『(代わりにやってくれて)ありがとう』と言ってもらっています。」

澤田コーディネーターは、社員さんが任せてもらった仕事を一所懸命に取り組み、社長に感謝をしているというのは、それまでに社長が社員さんに自分の苦労している背中を見せてきたからだと言います。
背中を見せて教えることで、任された時に「やるしかない」という自立的な行動につながっていくのだろうということでした。

 舟木さん 
「日創研さんの研修を受けるまでは社員さんに対して上から目線で”私が食べさせてやってる”というぐらいの姿勢でした。
日創研さんの研修を受講し『ありがとう』の反対は『当り前』という言葉が胸に突き刺さり、感謝の大切さを痛感させられました。
そして『ありがとう』というのは相手の存在価値を認める最上級の言葉であるということを理解しました。
私は直接お客様に触れることはできませんので、社員さんがお客様からたくさんの『ありがとう』を頂けるように指導をし、そこからさらに『ありがとう』を言ってもらえるような行動が自立的にできるようになっていきました。
さらに現在は、SNSを使って、離れた店舗間でも『今日のありがとう』というスタッフ同士やお客様から頂いた感謝を毎日その日出勤している者が伝え合うことで、より一層『ありがとう』の輪が広がっていくようになっています。
先日の荻窪店のリニューアルオープンの際は、お客様から近所の商店街のお店からもお花が届けられ、『ありがとう』の輪がこれほどまで広がっているということに感激しました。」

澤田コーディネーターからもネットを上手に使って情報共有をすることで、『ありがとうの連鎖』を生み出すことができることを指摘され、これは多くの会社が真似るべきだと言われていました。

質問
「社長が急に『ありがとう』を言い出したことに対しての皆さんの反応はどうだったのか」

 川端さん 
「よく外部の方から社長が大きく変わったということを耳にしますが、急に優しくなったとか違和感を感じたということは全く無く、社長の会社に対する思いの強さが変わっていないことはわかっていましたから、そのために一所懸命取り組んでくれているのだと捉えていました。」

この意見については、舟木さんが普段から社員さんとコミュニケーションを図り、会社への思いを語っていたからこそ、そしてそれを社員さんがしっかり受け入れていたからこそ、社長の変化にも社員さんは柔軟に対応し『ありがとう』を増やすという良い結果を得られたのだろう、と澤田さんは解説されました。

また、別の質問として、お酒が飲めないために社員さんとの「飲みニケーション」ができないという方から、社員さんと飲食を共にした1対1のコミュニケーションをしているか、必要かどうかが訊かれました。

 杉山さん 
「以前は飲んだりワイワイやることでコミュニケーションが図れていたと勘違いしていました。それも時には必要ですが”マスト”ではなく、それよりも本質は情報共有であり報連相をしっかりさせて、現場で起こっていることを把握した上で話しをすることが大切です。
また、1対1で話をするということの重要性も最近わかって、No.2の小山とも飲食あるなしに関係なくよく話をするようにしています。ただし、以前は小山も現場で起こることを全て話してくれていたわけでもなかったので、それがフランクに話ができるようになったのも最近です。」

 舟木さん 
「我が社は『社員は家族』というテーマがあり、家族が一緒にご飯を食べるのは当り前のことなので、コミュニケーションの一つとしてよく飲食を共にしています。
また、各店舗に炊飯器があり、業績アップの一環で、社内研修の時など外食せずに皆で「まかない飯」を作って皆で食べながら研修の話をする、といったことも大切なコミュニケーションとしてやっています。
また、今年から「誕生日飲み会」ということをやっていて、誕生日月の人と1対1で飲みに行っています。
これは当然お酒が飲めない場合はランチになったりします。
そして家族ですから、将来設計や結婚といったプライベートなことも1対1の中で聴いたりします。
これも「誕生日だからご馳走してもらえる」という名目があれば、社員さんの方でも心のハードルを下げて話ができるようになります。」

 岩田さん 
「飲食の会社なのでよく飲みには行きますが、単なる飲み会よりもビール工場や農家さん、牛の屠畜を見に行ったりということを毎月やっていて、その際に近隣の人気店に足を運んでそこで皆で食べるということをしています。
”サシ飲み”についても立候補制で、行きたい人が行くお店も決めていく、といったルールを作ってやっています。
誕生日飲み会もやっていますが、最近は人数が増えてきたために予算が大変になってきています。
とにかくこういったコミュニケーションの場は数え切れないほどあり、やはり会社から離れた場であると普段言いにくいことでも言いやすくはなりますので、忙しい中でも産地見学などの研修については年間でスケジュールを決めて必ず参加するようにしています。」

自立型人財はどのようにして育てるのか?

次に澤田コーディネーターから「自立型人財の育成」についての質問がありました。
今回それぞれの社長と一緒に参加してくださった幹部の皆さんはこの短時間でのやり取りを聴いただけでも大変素晴らしい「人財」であることがわかりましたが、そのような「人財」をどのように育成しているのかをズバリ聴いてみました。

 岩田さん 
「今年の2月に『たむら』という手打ち蕎麦の店を開きましたが、ここは田村という者がやりたいと言ってきたので任せたお店です。
彼は別の店の店長をやっていたのですが、元々蕎麦屋の息子で以前から蕎麦屋をやりたいと言ってきていましたので、新しい物件が出てきた際に確認したところやるということだったので全部任せました。
色々言いたいこともありましたし、言いたくなってしまうのですが、今回は一切口出ししませんでした。
このように(人を育てるために)言わないように心がけていることが一つ。
さらに、トラブルやメニュー替えの際に自分なりの考えを持って『相談』に来るのであれば良いですが、考えを持たず単に『どうですか』と訊いてくる場合は”潰し”にかかります。
これを繰り返すことで社内にこの自立的な『仕事の進め方』が浸透し、最近は皆ちゃんと自信を持って自分なりの企画を持ってくるようになりました。
また、現在はグループごとにマネージャーが5人いて、この5人のマネージャーが頻繁にミーティングを行い、グループは違えどもそれぞれの立場で考えて対処をし、その報告だけを受けるようになって現場での手間は随分と省けるようになっています。
とは言え、彼らには『最後は責任を持つ』から何かあれば言ってくるようには伝えています。」

 舟木さん 
「自立型の反対は依存型であり、依存型にならないようにするには最初から役割を持たせることが大事だと考えています。
我が社では入社したその日に同期同士が集まって『理念教育』の研修をするのですが、そこで日創研さんの研修のようにチームを組ませてそれぞれリーダーを決め、フォロワーとしての役割、5S係や食事の際の配膳係などを決め、チームとしてどのように行動すべきなのかを実際の体験(2週間)を通して学びます。
ここで、チームの目的や目標、成果とは何かということを学びますので、現場に立った時もリーダーは誰で、誰が何の役割を担うのか、どのような結果を出すのかを自分たちで決めて行動できるようになります。
実際にメイクチームやエステチームなど店舗を跨いでのチームがたくさんありますが、1年生の時に体験しているので2年生からリーダーなど役割をちゃんと果たせるようになっていて、そのリーダー達がさらに店長になり幹部候補生になっていきます。
このように1年生の時から自立的な仕事の仕方を学びますので、例えば店舗のリニューアルなども基本は現場に任せています。」

 杉山さん 
「人事理念を『オープンハート〜風通しの良い自分づくり』として社員さんのアウトプットの場、自分の考えや思ったことを皆の前で発表する場を意識してたくさん作っています。
朝礼はもちろん、全体会議でも終わったら一人ひとり感想を言ってもらいますし、メーリングリストで全体に日報を流してもらうのですが、そこで必ずその日の気づきを書いてもらうようにしています。
また、四半期ごとにキックオフがありますが、そこでも3ヶ月間で出来たこと出来なかったことを発表してもらいます。
さらに、年末年始とGWに課題図書を配って感想文を書いて全員が読めるようにもしています。
とにかく、自分を全部オープンにするという取り組みをしています。」

次に幹部さんに「我が社の一番のやりがい」ということを訊きました。

 小山さん 
「我が社は『時代のトップランナーでいる』というのをテーマに掲げて、業界の中でも一番光の当たっているところで仕事をしようとしています。
例えば『シェアハウス』といったこれまで業界でやってこなかったことをやったり、最近は『民泊』にもチャレンジしたりして、昨日よりも今日、今日よりも明日という気持ちで、とにかく展開早くやっています。
常に新しいことに携わらせてもらえる、それを任せてもらえることをやりがいに感じています。」

 川端さん 
「我が社では『自己成長』ということに一番やりがいを感じていると思います。
たくさん色々な勉強をさせてもらえるチャンスがあること、それが仕組みとしてあるので半ば強制的ではあるのですが、学ぶことで色々な得るものを感じ、自分が成長した分だけお客様から『ありがとう』を頂ける機会が増えていきます。
また、社内に自分の成長を実感できる『場』もたくさんあります。
会社が、ここにいれば成長できる『場』である、と社員さんが理解してもらえていることが、”やりがい”だと思います。」

 出原さん 
「我が社の人事理念は『自ら考え行動する人』なんですが、接客業でありながらルールらしいルールはなく、あるのは『バイタリティ手帳』のみで、その時お客様に対して自分だったらどうして差し上げたいかを考えよう、というのが社内に浸透しています。
先ほど岩田からは口を出さないようにしている、とありましたが、社員からすれば『一番の口うるさいお客様』でいてくれています。
常に客観的に指摘をしてくれるので、いつも『これがお客様だったら』という頭になりますし、部下への指導も同じことを伝えられるようになります。
さらに、店長以下の者が自主的に集まって勉強会を開いて、会社を良くするための取り組みを自分たちでやれるようにもなっています。
遊びも勉強も自分たちで考え提案し任せてもらえるというのが一番のやりがいだと考えています。」

次は「従業員満足度を高めるために取り組んでいること」を訊きました。

 杉山さん 
「”ベタ”ですが、『表彰』はやってみて良かったと思います。
まだ10人ちょっとの頃に始めたので、この規模で表彰してもらって嬉しいだろうかと思いましたが、継続してやってみて今では本当に喜んでくれています。
ですから、こういうことはキチンとやらないと社員さんに失礼だということを感じました。」
小山さん
「目標達成したら社員旅行に行けるというのがありますが、これがモチベーションでもあり、プライドとして”行き続ける”ことを大事にしている取り組みです。」

 舟木さん 
「『社員は家族』というテーマなので、”ファミリーハピネス”として、どうすれば社員さんが幸せを感じるか、どうすれば不満を撲滅できるかをチームを組んで考えています。
その中で毎年各店舗の『組織活性度診断』をして、店舗ごとに組織を俯瞰的に見てチェックしています。
コミュニケーションの度合いや理念の浸透具合など、かなり細かく点数をつけてチェックをし、それをそれぞれの社員ごとに評価していくことで、その時の不満が浮き彫りになってきます。
まずはその不満を無くすようにし、次にどうすれば幸せになるのかを考えます。
幸せとはお金や物ではなく、人からたくさん愛されることだと考えています。
だから『自分の好きな、親友のようなお客様に来てもらえるようにしなさい』と言っています。
これは具体的に各自にペルソナを作ってもらい、その人がどうすれば来てくれるのかを一緒に考え手助けしていますが、それによって本当に自分の求めているお客様と出会い、幸せな気持ちで仕事ができるということが満足につながっているのではないかと考えています。
さらに、『家族の家族はみんな家族』ということで、社員さんのお子さんにクリスマスプレゼントを買うためのお金をクリスマスにお渡ししています。
すると、そのお子さんからありがとうの手紙をもらったり買ったものの写真を送ってきてくれたりするので、私が幸せな気分になり、全員が幸せになれていると感じています。」

 岩田さん 
「特に意識はしていませんが、給料日にありがとうカードを書いたり、産地研修に行ったり、社員旅行など色々とにかくたくさんやっていますが、その都度皆が行きたいと言ってくるので喜んでくれていると思います。
飲食業なので基本的にみんな飲むことが大好きで、社員さんと一緒に”死ぬほど”飲み食いすることが一番喜んでくれていると思います。」

澤田コーディネーターからは、3社に共通するのは、しっかりした理念とコア・コンピタンス経営がなされていて、それに基づいた従業員満足につながる行事や表彰制度が行われているということでした。

次に幹部さんに「社長に対する不満は無いか、あるいは過去どのようにして乗り越えて今に至ったのか」を訊いてみました。

 小山さん 
「お互い現場でバリバリ仕事をしているわけですが、やり方が違うことがあります。
私も頑固なところがありますから、そういう時に摩擦が生じることはあります。
でも最近は、社内で『強みを大事にする』ということをしており、やり方が違っていたとしても目指すところが同じであれば良しとしているので、細かな指示無く任せてもらっています。
これには訳があって、以前は報告に対して自分は十分していると思っていても社長からは不十分だと言われてギャップを感じていたのですが、日創研さんの研修で知り合った方から毎日3時間ぐらいかけて報告するということを聴いて実践してみました。
最初は大変だったのですが、慣れてくると大したことないと感じるようになり、その頃から任せてもらえることが多くなりました。」

 出原さん 
「岩田とは前職から一緒で、前職の時は声をかけることもできないくらい怖い存在でした。
バイタリティには創業して1年後ぐらいに入りましたが、その頃も本当に怖くて、目も合わせられないぐらいでした。
でも、嫌だなということではなく、いつか褒めてもらえるようになろうという気持ちでした。
2号店目の『上野鳥番長』を出店した時、1号店が大繁盛だっただけに”満を持して”の出店だったにもかかわらず、当初はお客様よりも従業員のほうが多いという状態でした。
その頃ちょうど岩田が日創研さんの研修に行き始めた頃だったのですが、それまでだとこの状態なら確実に怒られていたのが「お前らがやっていることは間違ってない、仲間を信じてやり続けろ」と言ってくれるようになりました。
最初は過去の岩田を知っているだけに信じられなかったのですが、ずっとそう言い続けてくれたので、社員の中で「社長が言ってくれているから自分たちで何とかしよう」というように変化し始めました。
オープンが4月だったのですが、11月にはオープンの売上を追い抜き、翌年の3月はその年の12月の売上を追い抜くという今までなかったようなことになりました。
その時にあったのは『お客様のおいしいとありがとうのために』という理念だけでしたが、その時の成功体験から、社長から出されたものを自分たちがそれ以上のものにするためにはどうすればいいか、ということを考え走ってきました。
ですから、社長との関係には不満よりも常にワクワク感があると考えています。」

 川端さん 
「間違った方向を正すために叱られる時は本当に消えてなくなるほどなんですが、振り返るとやはり自分たちの至らなさだと感じます。
そして、幹部とまずコミュニケーションをとってくれているところが、離職率の低さに表れていると思います。
今はその時の状況に応じて伝え方を考えてくれてますし、任せてもらってもいますので、不満というのはありません。」

会場からの質問を取りました。
「私の会社は不平不満、愚痴が多い職場なんですが、改善策はありますか?」

 出原さん 
「個人批判というのは過去にはありましたが、そういう時に言うのは『理念に基づいて考えてみたら?』と伝えます。
我が社では『理念と経営』の勉強会と朝礼をしていますが、それによって常に理念を意識して仕事をしています。
『喧嘩するゴールはどこなんだ』と考えると、理念を元に喧嘩をすれば個人批判にはなりません。
例えば接客理念は『笑顔』なんですが、誰かに笑顔が足りないと言われると『何でアイツに言われなければいけないんだ』となりますが、『理念に基づいたらどうかな?』と言われると『そうだ』となる。
クレームなどでも常に理念に基づいて考えたらどうか、と皆がなれれば不平不満、愚痴は無くなっていくのではないかと思います。」

 岩田さん 
「『理念と経営』の勉強会は良いですよ。
設問に対してそれぞれが意見を言いますが、前向きなことしか出てきませんし、今現在起こっている問題とリンクしてくるので、この場を利用すると前向きなことを言いやすいですし伝わります。」

最後に監事の太田和隆さんから質問をもらいました。
「社長さんからそれぞれの将来像について聴かせてください」

 舟木さん 
「美容業界は人間関係が原因で人が辞めていくことが非常に多いのですが、反面人間力を重視した人財育成に目が向きにくい業界でもあります。
ですから、人間力に目を向け、人が育ち人が集まるという、業界の見本になるような会社にしていきたいと考えています。」

 岩田さん 
「2020年までに20億というのが創業の頃から言ってきた数量的なビジョンです。
そのためには22店舗必要で、これから4年間で8店舗出店していく、というのがあります。
また、飲食業は自分のお店を持ちたいという人が多いので、社員さんがやりたいことを実現させていく支援の体制を取っていきたいというのもあります。
前職が200億という大きな会社でしたが、それで幸せだったかというと全くそうではなく、店舗が増えると大変になるだけなので、20億を超えたところからドンドンそういう優秀な社員さんに色々な方法で分けていければと考えています。」

 杉山さん 
「現在管理している物件が860戸ほどですが、これを将来50,000戸目指そうと言っています。
この背景にあるのは、物件の数が増えて50,000戸になれば全てがワンルームではないので入居者さんが70,000人とかになり、オーナーさんの数も1,000人、2,000人という数になっていくわけですが、そうなると現在の仕事の仕方も営業よりもコンサルティングを求められるようになります。
売買目的のオーナーさんもいれば相続対策が必要な方もいる、また富裕層の方たちなので旅行に行きたいとなった時には一般的な代理店ではなく特別な手配をしてあげるなどのコンサルティングが可能になります。
さらに、管理会社は入居者さんの情報を持っていますから、70,000人に対してどのようなマーケティングが考えられるかなど、今とは仕事が違ってくるということを社員さんに伝え、その将来に向けた勉強をしてもらっています。」

 

パネラーの株式会社プラン・ドゥの杉山浩一さん、小山誠さん、株式会社バイタリティの岩田浩さん、出原敦子さん、有限会社エスタシオの舟木なみさん、川端風子さん、本当にありがとうございました。

またコーディネーターを努めて頂きました株式会社システムクエストの澤田智廣さん、ありがとうございました。

そして、参加頂きました会員の皆さまにも改めて感謝申し上げます。

次回6月例会は…

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