「ありがとう」を言ってもらってこそ

「”ありがとう”をたくさん言っても幸せになれないし商売は成り立たない」
冒頭に驚くような発言をされた久保華図八講師。
これは逆説的なことを述べられているのではなく、人に「ありがとう」と言って感謝することは大事ですが、「ありがとう」を言ってるだけだと相手から与えられてばかりだから、それを相手や社会に返していく「返謝」があって初めて成立するという意味です。

普段の仕事で考えた時、お客様が来店されたら私達は「いらっしゃいませ、ありがとうございます」と言いますが、お客様からも同じ様に「ありがとう」と感謝の言葉が返ってこないといけないということです。具体的に言うと「ありがとう」が返ってこなかったら感謝されていないということであり、再来店は無いということなのです。
例え1日に1人しか来ないお店でも再来店が確実であれば1年間で365人増えていきますから繁盛します。つまり、失客を無くすには「ありがとう」と言ってもらうぐらい頑張らないといけないということです。

商売で一番重要なのは「再来店率」であり、再来店があって儲けが出てくるので、お金を使って宣伝して新規客ばかりの売上は「偽物の売上」だと久保講師は言います。常連客をどれだけ持てるか、「ありがとう」と言ってもらえるようになるから、CS(Customer Satisfaction)からCH(Customer Happiness)にならなければいけない。ハッピーな気持ちになるから「ありがとう」と言ってくれる、そうなるように頑張るということです。

お客様から「ありがとう」が増えれば、お客様一人の年間来店回数が増えていきます。久保講師が経営される美容室では、3万人いるお客様の利用状況をすべて管理していますが、一番のお客様は10年で300万円も払って頂いているとのこと。1年で30万円ですから、1ヶ月で2.5万円も使って頂いている。つまり来店が月に1回ではなく、その方は毎週シャンプーをしに来店される、それぐらい「お店に行きたい」わけです。
さらに「ありがとう」を言ってもらえうようになると、来店回数だけでなく客単価も上がっていきます。「お店に行きたい」というまでになると、お金もより多く使いたくなる。

久保講師は15歳から始めて今日まで42年美容師をしてきたわけですが、過去に20歳の成人式のお手伝いをしてあげた方が結婚してお子さんが生まれ、その子どもが成人式を迎え、さらに結婚されてお孫さんまでいる、という長いお付き合いのお客様が50人以上いるとのこと。このお付き合いの長さが誇りであり、やりがいであり、一番大事なことだということです。
何十年も来て頂けるということはライフタイムバリュー(生涯顧客価値)が相当高い、たくさんお金を使って頂いているわけですが、一流と言われるところほど、そういう人を大切にしていく、増やしていこうとしています。
それだけに対人関係、相手を気持ちよくさせること、喜ぶことをすること、というのがとても大事なことだということです。

関わる人が離れていかない人間関係

一方、社員さんはどうでしょうか?
いつも働いてくれて有り難い、と思っている経営者は、給料日に従業員さんから「ありがとう」を言ってもらっている。「社員さんが感謝してないようだと思われているところは概ね払っているのが少ない、社員さんを大事にしていない」と久保講師は言います。

さらに、「将軍が兵隊を見ても(わかるのに)3年はかかるが、兵隊は将軍を3日見ればわかる」こう厳しい言葉で、経営者の社員さんに対する気持ちが見透かされていることを告げられました。部下が言うことを聞かないのは、経営者が「ありがとう」と思っていないことをわかっていて、社員さんも感謝していないからなのです。

感謝というのは「人と人を繋ぐ接着剤のようなもの」、だから社員さんが辞めるという会社に「ありがとう」は無い。
こう厳しく断言された久保講師は続けて「今まではたまたま上手くいってただけで、これから人口が減っていき、競争はさらに激しくなっていくので上手くいかなくなる」と警告しました。
時代は大きく変わって来ているわけですから、これまで以上に社員さんを大事にしていかないと上手くいかなくなるのは当然。「求人や採用にに力を入れている」、あるいは「凄いホームページを作った」といって喜んでいるような経営者は「時代遅れ」。

お客様の場合と同じで、入れることよりも辞めないようにするほうが「堅い」と久保講師は言います。今働いてくれている人が辞めなければ求人する必要もないからです。名だたる企業が求人しないことを挙げ、その理由は辞めないからであり、入れられないのだということ。これが本来の姿だということです。
このことからも対人関係、社員さんとの人間関係を良くしておくというのは非常に大事なことであり、社員さんが思うように仕事ができないのは経営者が社員さんと良い関係を築けていないからだということでした。

では、業者さんはどうでしょうか?
業者さんに対しては感謝していないことが多く、「頼んでやってる」というところが多い。競合と比較して値引きを求めたり、コンペさせたり、そんなところに感謝があるはずも無く、だから当然上手くいかない。業者さんはパートナーであり、一緒に会社をやってくれている仲間だというぐらいの気持ちがなければ上手くいきません。
久保講師のところではお店で使うマットを業者さんに頼んでいますが、そのマットの下に「あなたのお蔭で今日もお店がキレイです、ありがとう」という手紙を入れているそうです。マットの交換に来た業者さんはその手紙を見つけると嬉しそうにしているということです。
「種蒔かざれば花咲かず実ならず」
人間関係こそが良い種をまくことであり、相手を良いと思うから相手からも良い人だと思われる。業者さんをハッピーにするからこそ感謝されるわけですから、高圧的な態度で接しているといずれ足をすくわれることになります。

次に地域の方と如何に良い関係を築けているか。
久保講師が経営している美容室「バグジー」さんは、北九州の大手企業と提携しています。企業の労働組合から認定されているお店であり、地域から愛されていることがわかります。最寄りの駅からタクシーに乗りバグジーまでお願いすると「はい、バグジーさんですね」とさん付けで返事をしてくれるほどであり、それぐらいにならなければいけないということでした。

お客様の喜びや社員さんの働きがい、関連業者さんとのパートナーシップ、地域の方からの支援など、まずそれぞれの具体的な人間関係があり、その影が利益だと久保講師は説明しました。だからいくら先に影である利益を追いかけてもそれは本末転倒であり、何にもならないということです。

そして、地域との関係は「共栄」の精神がなければいけません。自分の会社やお店の周りにある同じ会社やお店を利用することで関係を築くことが重要です。
今は何でもネットで安い商品やお店を検索して関係の無い地域のものを利用しますが、それは返ってくることない「死に金」。商売をやっていくなら使うお金は関係した地域のお店や会社に使い、こちらも利用してもらうといった「生き金」にしなければいけないということです。

久保講師はこの考えから、日頃からお店の周辺のお店や会社を回っているそうですが、ある時「あの店だけは駄目だ」と言われたお寿司屋さんに伺ったところ、最初は噂通りの酷い対応だったのですが、バグジーの社長だとわかったところ態度が一変したそうです。なぜなら、毎朝そのお寿司屋さんの前を掃除する若者がいて誰かと尋ねたところバグジーさんの社員さんだというので、一度社長に会いたかったということでした。
また、こんなこともありました。ある時見ず知らずの大地主の方から自分が持っている建物にお店を出してくれと連絡が入りました。バグジーさんの評判を聞きつけて、とにかく来てもらいたいという。最初にかなり小さな場所を勧めてきたので狭いという理由でお断りをしたところ、今度は元紳士服量販店だった広大な場所を勧めてきた。今度は家賃が高いという理由でお断りしたところ希望値でかつ他費用はいらない、という破格の条件で勧めてきた。今ではそのお店が家賃が安くて一番売上のある儲かるお店になっているそうです。
このように、地域における人間関係を良好にすることで愛される会社となり、より良い形で商売ができるようになっていくということでした。

リーダーに求められる判断基準

地域密着で評判が良いお店や会社を作っていこうとするなら、リーダーの判断基準が非常に重要になってくると久保講師は言います。
経営者は常に判断を求められる「岐路」の連続の中にいるわけですが、久保講師はその岐路の選び方には上中下3つあると言います。

下の選び方は「損か得か」。
例えば業者さんを選ぶ時やネットを使って選ぼうとするなど、とにかく安ければいいという選び方ですが、この場合は人が辞めたり業者が離れたりなどトラブルが多く発生します。
あるいは、お客様にたくさん来てもらいたいから割引をしたり、ネットで安売りする、といったことも同じですが、この場合は常連さんが離れてしまうことになります。損得で判断をするととにかくトラブルを引き起こしてしまうので、極力損得で判断をしてはいけないということでした。

その次の判断基準は「正しいか正しくないか」。
一見もっともらしい判断基準ですが、正しくても間違っている場合があるからです。
例えば売り上げランキングを社内に貼り付けるという(それが正しいと判断しての)行動。これは行いとして正しいかもしれませんが、ランキング最下位の人にとっては地獄です。
また、成果に応じた給料を払うというのも同じで、やり方として間違っているわけではありませんが、長く働いても成果の低い人はやはり地獄の苦しみを味わいます。つまり、正しさだけの判断では人は幸せにならないということです。

最上の判断基準は「美しいか否か」「すごいか否か」「らしいからしくないか」。
バグジーさんでは、お店の内装などお店を作ってくれた業者さんを家族も一緒に呼んでパーティーをするそうです。
普段は現場で汚れた格好でいることが多い父親の晴れやかな姿を見て嬉しそうにする子どもたちの姿を見たいからやっていると久保講師は言います。
また、美容師の資格取得に何度も失敗した社員さんがいるそうですが、久保講師はそういう社員さんほど大事にしていて、数度目にようやく合格した時にもパーティーを開いてあげたそうです。
どちらの場合も久保講師ひいてはバグジーさんらしい行動です。

私達は「正しいか否か」の判断をしてしまいがちですが、大切なのはあらゆる角度から見て正しいかを判断し、それをすることによって困るような人、不幸になる人が出ないかどうかを深く考えるということが必要だということです。
つまり、最上の判断基準は「正しさ」を超越したところで物事を捉え考えるので困ったり不幸になる人は出てきません。
久保講師はこの3段階の判断はその人の心の状態を表しているとも言える、と説明してくれました。
心に余裕がない、荒んでいるような時はどうしても損得で判断してしまいがちですから、最上の判断をするためにも心の状態を良くする、磨くことが必要だということでした。

人的資産の価値を高めるために

1)幹部の育成を急ぐ

経営資産で一番大事なのは「人的資産」です。
ただ、そうは言っても会社に”ぶら下がっている”ような社員さんは資産とは言えません。経営で大事なのはそういった会社に”ぶら下がる”ような社員さんを作らない、全員を資産に変えないといけないということです。

必要なことは、全社員さんの心を優しくする「優しさを育む」こと、引いては人間力をつけてあげることです。
社員さんが皆優しく愛に溢れ、その溢れた愛がお客様へ届くことで喜んで頂ける、これがベストな状態です。社内はギスギスしているのに、お客様にはニコニコ笑顔などというのはおかしい。

久保講師もこれまで失敗を繰り返しながらずっと考えてきました。
社員さん全員が優しくて、思いやりがあり、助け合い、自主的に考えて、当事者意識をもってイノベーションできる、そんな人にどうしたらなるのか。
それには2つの方法があると久保講師は言います。
まずは”良い会社”に行って現場の社員さんに訊いてみること。
「どうして貴方はそんな素晴らしい接客ができるのですか?」
この問に対して”良い会社”の社員さんはほぼ全員が口をそろえて言います。
「先輩を見て学びました」

ある時、久保講師は指導を受けている大久保寛司さんが急にお店に来られて全社員を集め、まるで抜き打ち検査のように社員さんに質問をしていきました。
まず一番社歴の浅い、新入社員さんに声をかけました。
「君は会社を辞めたいと思ったことがあるだろう?」
最初は社長の手前否定をした新入社員さんでしたが、繰り返し尋ねられて、考えたことがあると応えました。
すると、今度はその時なぜ辞めなかったのかを尋ねました。
「相談に乗ってくれた先輩がいたから」
そう答えを聞いた大久保さんは今度その入社3年目だという先輩社員さんに同じことを訊きました。
「君も会社を辞めたいと思ったことがあるだろう?」
答えは同じでした。何度も辞めたいと思ったことがあると答えた入社3年目の社員さんも辞めなかったのは、やはり「あの先輩が相談に乗ってくれたから」と、今度は入社10年目の社員さんを指し示します。
同じように入社10年目の社員さんは入社22年の取締役に相談に乗ってもらうことで辞めずにいる。
そして何百回辞めたいと思ったその取締役は社長である久保講師に相談に乗ってもらい辞めずに今取締役でいる。

久保講師は言います。
「マニュアルを作っている間は人の心は優しくならない。先輩の後ろ姿がマニュアルだ」
もし優しくない部下がいるならば、その上司が優しくないからであり、引いてはトップが優しくないからです。
このことから、社員さんの優しさを育む一つ目の方法は「幹部の育成を急ぐ」こと。
お店であればまず店長を教育しないといけません。その教育はスキルの教育ではなく、心の教育、価値観の教育です。
「人に好かれる人」を作ることが大事だと久保講師は言います。

2)心を耕す学習時間を作る

社員さんの優しさを育む方法の二つ目は「一人ひとりの心を耕す学習時間を作る」ことです。
人は心に支配されているわけですから、仕事の結果や問題、何であれその原因は心にある。それを解消するには心の勉強会を増やしていくしかありません。

ある人材派遣最大手の会社の社長さんが5,000社を訪問して良い会社には必ず”あるもの”があることに気が付きました。
良い会社には必ずそれがあるので、以降の契約はそれがあるか無いかを見るだけでよかったという話があります。
その”あるもの”とは「社員さん用の図書室」でした。
社員さん用の図書室がある会社は、そこで働くすべての人がモチベーション高く、よく気がつく良い会社でした。

久保講師はこのことからも、人を育てることは出来ないが「人が育つ環境を作る」ことはできると言います。
では、どういう勉強をすれば良いのか、久保講師が紹介してくれました。
一つは読書。
読書というのは自分よりも優れた人の人生を疑似体験することなので、読めば読むほど優れた人の判断力、キーワード、ターニングポイントがわかる。さらに、本からは良い言葉にたくさん出会うことができる。
それらを体得した人から出てくるのを「言霊」と言い、経営者はこの「言霊」を持たなくてはいけません。一言で聴く人の心をつかみ元気になっていくようなリーダーシップを取らなければいけません。

つまりこれは「学歴はいらなくても学力はいる」ということだと久保講師は言います。
普段の人との出会いの中でも思いがけず優れた人に会うことがあるかもしれませんが、その人を通じて自分のレベルアップを図るためには相手のレベルに合わせた会話ができるかどうかです。
久保講師は読書の他にDVDなどの映像によって吸収するという方法もあると言います。
読書の場合はその時の状態によって読みにくい本というのがありますが、映像は向こうから発信されてくるので受け取りやすい。良い会社を紹介したTV番組や有名な方の講演を映像で見るのも良い勉強になるということでした。
また、見たり読んだりした良い会社や優れた人を実際に訪問(ベンチマーク)あるいは会社に呼んで教えてもらう(アウトソーシング)というのもとても勉強になります。

「一人ひとりの心を耕す」方法にはもう一つあり、それは「統一された評価基準」だと久保講師は言います。
お客様満足を掲げなら売上目標を掲げる、これは社員さんからすると混乱してしまいます。
この場合売上を追いかけるのであれば、社員さんに対してはお客様満足や社員さんの満足、地域の幸せがわかる数字で評価してあげるべきだということです。
例えば久保講師のお店ではお客様の満足度が測れる「再来店率」を評価しています。一番評価が高いのは「紹介客数」です。なぜなら感動したお客様でなければ紹介はしてくれないからです。
久保講師のお店では開店前から来店されるお客様がいるので、朝礼をお客様に見られることがあります。例えばこの時に「今日の目標は20万円!」などと言うと聞いているお客様はどう思うでしょうか。久保講師のところでは「今日の目標は20人!」といった具合に「円」ではなく「人」で測り評価するようにしています。

このように久保講師のお店では最も人を感動させた社員さんがMVPとして表彰されます。昨年表彰された人は、盲目のお客様が来られた時に感謝のお手紙を出すにも書いたものは読めないので、点字を独学で学び点字の手紙を贈りました。点字による感謝のお手紙をもらったのは初めてだということでいたく感動され、その後知り合いの盲目のお客様が増えたそうです。
さらにウエディングも頼まれて行くと、新郎新婦ともに盲目、来ているお客様も半分の方が盲目という式でした。目が見えなくとも美しく調えられた髪を手で触り「キレイ」と言って喜んでくれている方達を見てお店の方は涙が止まらなかったと言います。

何を評価するのかが大事、そして「褒める経営」にしていくことだと久保講師は言います。
「経営者の一番の仕事は社員一人ひとりに自信をつけることである。自信のある者だけが100%の力を発揮することができるからだ。
現に私に自信をつけたのは私の母親で、彼女は私が幼い頃から私が特別な人間であり必ず成功すると言い続けてきてくれたお蔭で私は自分が周りより背が低いということを気づかなかった」
と元GEの最高経営責任者だったジャック・ウェルチの著書から紹介してくれました。
これは母親に抱かれている時が一番冒険心が生まれるという心理学でも言われていることですが、社員さんも守ってあげる、褒めてあげればもっと頑張れるのだと久保講師は言います。
その人の中で一つでいいから才能を伸ばしてあげる、そのいわば一人ひとりの「天賦の才」を見つけてあげるのが経営者の手腕だというわけです。

失敗に未来がある

久保講師は20年前に成果主義の経営をすることで多くの社員が辞め、倒産の危機に遭いました。
さらに仕事の調子が良かった頃、腎臓病を患っている息子さんの手術に失敗し未だに障害を持ち続けているという事実を抱える久保講師は、それでもこの2つの大きな失敗があったからこそ今があると言います。
「失敗は成功の種」という通り、失敗を経験しないと成功はなく、失敗のない「何とかやれている」状態が一番危険だということでした。

ただし、単に失敗すれば良いのではなく、失敗から学ぶことが大事なのです。そのためには目の前の問題をどう捉えるかが重要です。
「問題を問題と捉えることが問題。問題が起こった時に指をを自分に向けられるかが大事」だと久保講師は言います。
久保講師は社員さんが一度にたくさん辞めて倒産の危機に陥った時に、有名なお坊さんのところに行って相談しました。するとお坊さんは久保講師にこう言いました。
「悪いのは貴方だ。会社に帰ったら残ってくれた社員さんに頭を下げて許しを請い、これからどうしたら良いかを訊きなさい」
ここから経営が始まったという久保講師は、その時、CSなんかどうでもいい、売上なんかどうでもいい、社員さんが辞めない会社を作りたいと考えました。
社員さんが一度にたくさん辞めるという問題が発生した時、お坊さんに言われて指が自分の方に向き、社員さんのための経営をしようと心から思ったからこそ立ち直ることができました。

農作物や植物を育てるのに一番大切なのは「良い土を作ること」だと言われます。良い土が作れたらどんな種でもよく育ち、実がなる。
このことは正に経営に通じることであり、会社においては「良い社風」を作ることです。良い社風ができれば社員さんはどんどん育ちます。どんどん育った社員さんがお客様を喜ばす。これは自然の法則であると久保講師は言います。

最後に、素晴らしい社風の会社を作り上げた久保講師の会社のエピソードを教えてくれました。
久保講師が大の釣り好きであることを知っている会社の社員さんが、久保講師の誕生日プレゼントとして豪華なクルーザーを1日貸し切って好きなだけ釣りができるというのを用意してくれました。
大喜びの久保講師は友達2人を連れて意気揚々教えられた港へ出向き、待っていたクルーザーに乗り込みました。
早朝からアルコールも入れてご機嫌なところ、希望の行き先が遠いので隣の港でガソリンを入れますと船長に言われました。
すると、その港に近づくにつれて朝4時という早朝にもかかわらず「ソーラン節」が聞こえてくる。何事かと思って外を覗くと、港の波止場に100人の社員さん全員が揃いのハッピを着て歌っていました。「社長大好き」「社長長生きしてネ」と書かれた旗を振って。
それを見た久保講師の涙腺が崩壊したのは言うまでもありません。

これほどまでに愛されている社長さんと愛が溢れた会社がどれだけあるでしょうか。そしてこれほどまでの人間関係とそれを生み出す社風づくりが求められているということを教えてもらいました。
久保華図八講師、本当にありがとうございました。

また、ご参加頂きました皆様にも改めて感謝申し上げます。

 

 

【講師プロフィール】

久保 華図八
株式会社 九州壹組 代表取締役
15歳で美容業界に入り23歳で独立するが、技術を磨くために渡米。帰国後、北九州市で繁盛店を築く。幹部社員の相次ぐ退職という危機を乗り越え、社員重視・お客様本位の経営で事業を成長させる。北九州市を拠点に美容室7店舗のほか、カフェ、ネイルサロンなどを展開。大手企業や各種団体などで年間100回以上の講演を行っている。2013年、経済産業省『おもてなし経営企業選』受賞。著書に『経営者には、幸せにするべき5人の人がいる』など
◇主な著書 
『経営者には、幸せにするべき5人の人がいる』(日経BP) 2016
『ひとり光る みんな光る』(致知出版社) 2011

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